ネット上の園芸コミュニティで頻繁に見られる最大の誤解が、「畑には植え付け前にたっぷりと苦土石灰を撒いてアルカリ性に中和すべし」という画一的なアドバイスです。これはトマトやナスなどの一般的な夏野菜には当てはまりますが、じゃがいも栽培においては致命的な失敗の原因となります。
じゃがいもの表面にコルク状の斑点やクレーターができる「そうか病(Streptomyces scabies)」は、土壌のpHが6.0以上の弱酸性〜中性環境で爆発的に繁殖します。じゃがいもが好む本来の土壌酸度はpH5.0〜5.5の酸性寄りです。酸性土壌下では病原菌の活動が自然に抑制されるため、過去に野菜を育てていた畑であれば、植え付け前の石灰散布は原則として不要です。もし酸度未調整の未開墾地でない限り、石灰を過剰投入しないことが、肌の美しいつるりとしたじゃがいもを収穫するための最大の防御策となります。