披露山公園が逗子市内外の来訪者を惹きつける最大の要因は、標高約92m(逗子市公認の基準点標高は約68.9m)の披露山山頂という立地が生み出す圧倒的な眺望にあります。円形の展望台デッキに立つと、眼下に広がる逗子海岸や新宿湾、西方には相模湾越しに雄大な富士山と江の島のシルエットが広がります。空気の澄んだ秋から早春にかけての景観は圧巻で、国土交通省の「関東の富士見百景」や「かながわの景勝50選」にも選定されています。
この公園は元々、戦時中に旧日本軍の高射砲陣地が置かれていた軍事上の要衝でした。終戦後の1958年(昭和33年)、逗子市によって平和的な都市公園として整備・開園された歴史を持ちます。かつて砲台が据えられていた堅牢な基礎構造が、現在の展望デッキや広場設計の土台として活用されている点も歴史的背景として興味深い事実です。
さらに、入場無料の都市公園でありながら、園内に本格的な小動物園を完備している点も見逃せません。飼育ケージ内では愛らしいニホンザルの群れが活発に動き回るほか、クジャク、水鳥、ウサギ、モルモットなどが丁寧に飼育されています。サル山で繰り広げられる毛づくろいやエサを食べる仕草は、小さな子ども連れのファミリー層にとって格好の観察スポットとなっており、入園料なしでこれほど充実した展示を楽しめる施設は三浦半島全域を見渡しても極めて希少です。