物語が後半の「マーレ編」に突入した際、キャラクターへの好悪感情はファンの間でかつてないほど激しく揺れ動きました。特にサシャ・ブラウスを狙撃したガビ・ブラウンや、過激なエルディア至上主義を掲げたフロック・フォルスターは、一時期ネット上の「嫌われキャラランキング」上位に名を連ねる事態となりました。
しかし、連載完結とアニメ最終章の放送を経て、2026年現在の評価は大きく変化しています。洗脳教育の中で育ち、パラディ島の真実を知ることで憎悪の連鎖から脱却したガビの成長過程は、「無知と偏見を乗り越える人間の可能性」として再評価されています。
また、自らの弱さを自覚しながらも島の存続のために泥を被り続けたフロックに対しても、その徹底したリアリズムと愛国心に一定の理解を示す声が急増しました。単純な「善玉・悪玉」の二項対立を徹底的に解体し、各人の正義と立場を描き切った諫山氏の手腕が、嫌われ役とされたキャラクターたちにすら色褪せない命を吹き込んだと言えます。