ガラケー(フィーチャーフォン)の普及が成熟期を迎えていた当時、音楽消費の主戦場となっていたのが「レコチョク」をはじめとする配信プラットフォームでした。この着うたフル全盛期 名曲まとめを語る上で欠かせないのが、西野カナ 会いたくて会いたくて 配信ヒットの凄まじい波及力です。
「会いたくて 会いたくて 震える」というあまりにも有名なフレーズは、ネット上で様々なパロディを生み出すほどのインパクトを残しました。しかし、彼女の楽曲制作手法は極めて客観的かつ緻密でした。当時のインタビューや制作陣の手記によれば、西野カナは同世代の女性ファン数百人からアンケートを募り、リアルな恋愛の悩みやメールの文面、失恋時の心理状態を徹底的にリサーチした上で歌詞を紡ぎ出していました。
『Best Friend』『if』と立て続けに配信ヒットを連発した背景には、10代・20代女性の「自分の気持ちを代弁してくれている」という強烈な承認欲求への接続があります。CDを1枚1,000円〜1,500円で買いに行く手間を省き、月々の携帯電話料金決済で1曲数百円の着うたフルを即座にダウンロードするスタイルは、現代のストリーミング直結型ヒットのプロトタイプでした。