中央本線の旅における最大の醍醐味は、都会の高層ビル群から一転して広がる雄大な山岳パノラマです。景色を最優先に座席を選ぶ場合、下り(松本・長野方面行き)と上り(新宿・東京方面行き)で確保すべきアルファベットが異なる点に注意しなければなりません。
甲府盆地を抜けた後に広がる「南アルプス連峰」や、小淵沢〜茅野間で車窓いっぱいに広がる「八ヶ岳」の大パノラマを満喫したい場合、下り列車(松本方面)では進行方向右側の「D席」、上り列車(新宿方面)では進行方向左側の「A席」を指定するのが鉄則です。特に小淵沢駅を過ぎたあたりから視界に飛び込んでくる八ヶ岳の主峰群は圧巻で、山岳リゾートへ向かう高揚感を最大限に引き立ててくれます。
一方、「富士山」の眺望については少し特殊な動きを見せます。大月駅を通過する前後(猿橋〜初狩付近)で富士山が最も美しく見えるのは下り「A席(左側)」・上り「D席(右側)」です。さらに勝沼ぶどう郷駅付近で甲府盆地を見下ろす扇状地の絶景パノラマ(夜景スポットとしても有名)は下り「D席(右側)」側に大きく開けます。
総合的な山岳車窓の満足度としては、八ヶ岳・南アルプスを長く楽しめる「下りD席/上りA席」が圧倒的な支持を集めていますが、富士山をピンポイントで写真に収めたい場合は「下りA席/上りD席」を選ぶという戦略的アプローチが有効です。