今回の措置が過去のパンデミック期と決定的に異なるのは、制限の対象が「人の移動」ではなく「エネルギーとデータの消費」である点だ。千代田区の大手IT企業に勤務する男性(34)は、「オフィスビル全体の照明が強制的に落とされ、サーバー室の冷却維持だけで精一杯だと言われた」と語る。社会全体がクラウド依存を強めた結果、わずかな電力供給の狂いがドミノ倒しのように生活インフラを直撃している。
政府関係者への取材で明らかになったのは、基幹送電網の予備率が一時的に0.5%を下回るという「壊滅的崩壊の瀬戸際」だったことだ。かつての計画停電とは異なり、今回はAIによる自動電力制御システムが作動し、優先度の低いエリアから段階的に供給をカットする仕組みが導入されている。これが現場の混乱に拍車をかけた。