泉里香のキャリアの原点を辿ると、特撮ファンや平成カルチャー愛好家にとって伝説となっている作品に行き着きます。2003年10月から2004年9月にかけて放送された中部日本放送(CBC/TBS系)制作の実写版テレビドラマ『美少女戦士セーラームーン』です。彼女はこの作品で、「浜千咲(はまちさき)」という旧芸名を用い、水野亜美/セーラーマーキュリー役を好演しました。
当時わずか14〜15歳だった彼女は、眼鏡をかけた控えめな優等生からクールな戦士へと変身する二面性を見事に演じ分け、ティーン層のみならず大人の特撮ファンからも高い評価を得ました。その後、活動休止を経て「泉梨華」名義での一時的な活動を挟み、現在の「泉里香」へと改名することになります。
この作品がもたらした最大の遺産は、共演者たちとの20年以上にわたる揺るぎない友情です。主役の月野うさぎを演じた沢井美優、火野レイ役の北川景子、木野まこと役の安座間美優、愛野美奈子役の小松彩夏とは、放送終了後も定期的に集まる「戦士会」を継続。SNS上でその集合写真が公開されるたび、大きなトレンドを生み出しています。
芸能界という競争の激しい世界において、デビュー初期の仲間が誰一人欠けることなく、それぞれの立場で自立した関係を保ち続けている例は極めて稀有です。お互いの結婚や出産、キャリアの転機を尊重し合う彼女たちの姿は、現代の女性コミュニティにおける理想的な人間関係の象徴として語られています。