ミレニアムの熱気がまだ残る2000年代初頭。渋谷のビットバレーを中心に、若き起業家たちが日本経済の表舞台へと躍り出た。その筆頭が、サイバーエージェントを率いる藤田晋氏だった。一方、奥菜恵氏は圧倒的な透明感と確かな演技力で、映画やドラマに引っ張りだこの国民的女優。この二人の交際、そして結婚のニュースは、まさに「新時代の到来」を告げるファンファーレのようだった。
当時のワイドショーは連日、この話題で持ちきりだった。伝統的な大企業ではなく、当時はまだ未知数だった「ネット企業」の若き社長が、誰もが憧れる女優を射止めたのだ。それは、日本の富の構造とステータスシンボルが、昭和から平成、そしてデジタルへと移行する象徴的な瞬間でもあった。