「103万円」という数字は、学生アルバイトにとって一種の魔法の数字として定着している。だがその根拠を正確に説明できる人は少ない。内訳は単純だ。給与収入から給与所得控除55万円を差し引き、さらに基礎控除48万円を引くと課税所得がゼロになる。この55万円+48万円=103万円が、いわゆる「103万円の壁」の正体である。
このラインを超えると、学生本人に所得税がかかり始める。同時に、親にとっては扶養控除が受けられなくなる。所得税で38万円、住民税で33万円の控除が消えるため、親の税負担は年数万円単位で増える。これが「103万円を超えたら扶養から外れる」と言われるゆえんだ。
2026年に向けた税制改正の議論では、この基礎控除の引き上げが主要テーマの一つに浮上している。政府・与党内では「年収の壁」全般を見直す動きが続いており、報道各社の取材によれば、学生アルバイトの年収調整行動そのものに影響を与えうる制度変更が視野に入る。ただし改正内容は流動的であり、現時点では従来の103万円の枠組みを前提に計画を立てるのが安全だ。