野口健に関するネット上の誤解は少なくない。まず、「七大陸最高峰制覇は嘘だ」という説があるが、これは事実無根である。当時の登頂記録や写真、現地の証言が存在しており、信憑性は高い。次に、「清掃登山は税金で賄われている」という誤解もあるが、実際には企業協賛や個人寄付、ボランティア参加費で運営されており、公的資金への依存度は低い。公式発表資料によれば、2026年度の活動費のうち、約70%が企業協賛と寄付で賄われているという。
また、「家族を捨てて活動している」という批判も、必ずしも正確ではない。彼は離婚後も子供との関係を維持しており、可能な限り時間を共にしている。ただし、活動の多忙さゆえに、家族との時間が限られていることは事実であり、そこに葛藤があることも本人が認めている。この点は、活動家としての宿命とも言えるが、彼の人間味を感じさせる部分でもある。
さらに、「環境問題への取り組みは欧米の真似だ」という指摘もあるが、彼の活動は日本独自の文脈を踏まえたものである。例えば、富士山の清掃登山は、日本の象徴的な山を守るという意味合いが強く、海外の環境活動とは一線を画す。彼は「日本には日本のやり方がある」と語っており、その独自性は高く評価されている。