1936年という軍靴の轟く時代に起きた阿部定事件は、男女の情愛の暴走が生んだ凄惨な殺人劇でありながら、国家主義に押しつぶされそうになっていた当時の日本人に、生と性の根源的なエネルギーを突きつけた事件でもありました。
吉蔵を奪われることへの絶望が生んだ凶行、出所後の数奇な運命、そして謎のまま幕を閉じた晩年。事件から90年が経過した今もなお阿部定という女性が語り継がれる理由は、彼女が犯した罪の猟奇性だけでなく、誰もが心の奥底に抱えうる「愛されたい」という孤独と執着の深淵を、あまりにも生々しく体現してしまったからにほかなりません。 (出典: 阿部 定 事件(Yahoo!ニュース))
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