本作を語る上で避けて通れないのが、開発元であった「38 Studios」の劇的な倒産劇です。元メジャーリーグの伝説的投手カート・シリング氏が設立した同スタジオは、本作を皮切りに壮大なMMORPG「Project Copernicus」へと展開する野心的な構想を掲げていました。しかし、2012年5月、ゲーム本編の発売からわずか数か月後にスタジオは事実上の経営破綻に追い込まれ、全従業員が解雇されるという激震が業界を駆け巡りました。
米ロードアイランド州の経済開発公社(EDC)から受けた7,500万ドル(当時のレートで約60億円)の融資保証が仇となり、州政府を巻き込んだ大規模な訴訟問題へと発展。当時の報道資料や州議会の調査報告書によると、オリジナル版は発売後約90日間で世界累計120万本以上の実売を記録していたものの、スタジオの巨大な負債を返済しMMO開発を維持するためには「300万本以上の即時販売が必要だった」とされています。
つまり、ゲーム作品としての評価が低かったのではなく、過剰な初期投資と並行プロジェクトによる資金ショートが破産理由の真相です。その後、知的財産権(IP)は長年ロードアイランド州の管理下に置かれていましたが、2018年にオーストリアのTHQ NordicがIPを買収したことで、奇跡のリマスター化と復活への道が開かれました。