銀座のスペイン料理を語る上で絶対に外せないのが、世界的な評価を受けるイノベーティブ・ガストロノミーと、何世代にもわたって愛され続ける銀座パエリア名店の存在です。それぞれの領域で頂点を極める3つの名門について、その卓越した技術と魅力を検証します。
銀座スリオラ(ZURRIOLA)|ミシュラン二つ星が紡ぐモダンスパニッシュの至高
銀座6丁目に店を構える銀座スリオラ ミシュラン二つ星の名店は、シェフ・本多誠一氏が主腕を振るう、日本における現代スペイン料理の最高峰です。バスク地方を中心とした名店で研鑽を積んだ本多シェフの料理は、伝統的なスペインの郷土料理を解体・再構築し、日本の四季折々の最高級食材と融合させた芸術品です。
口の中で軽やかにほどけるタパスの先付けから、精密な温度管理で仕上げられるメインの肉料理、そして驚きに満ちたデザートに至るまで、全方位で計算し尽くされたコースが展開されます。厳選されたスペイン産プレミアムワインとのペアリングは圧巻の一言であり、国内外のVIPをもてなす極上の社交場として揺るぎない信頼を集めています。
アロセリア ラ パンサ(Arrocería La Panza)|本場バレンシアの米文化を伝えるアロセリア
銀座1丁目の静かな一画で、本物の米料理を求める人々で連日満席となるのがアロセリアラパンサ銀座です。店名に冠された「アロセリア」とは、スペイン語で「米料理専門店」を意味します。日本ではパエリアばかりが注目されがちですが、同店ではスープ仕立ての「アロス・カルドソ」や、しっとりとしたリゾット状の「アロス・メロッソ」など、現地の奥深い米料理のバリエーションを網羅しています。
最大の魅力は、魚介やウサギ、鶏肉などから極限まで旨味を煮出したスープを、短粒米に一滴残らず吸わせる火入れの技術です。鍋底に薄く均一に形成される極上のおこげ「ソカラ」の香ばしさと、米一粒一粒に凝縮された圧倒的なコクは、一度味わうと記憶から離れません。ミシュランのビブグルマンにも選出されるなど、その実力は折り紙付きです。
びいどろ 銀座店|1977年創業、国際大会を制した伝統のパエリア
日本のスペイン料理黎明期である1977年に創業し、半世紀近くにわたり銀座の地で本物の味を伝え続けているのがびいどろ銀座店 パエリアの歴史です。本場スペイン・バレンシア州スエカで開催される「国際パエリアコンクール」において、数々の入賞歴を誇るその実力は、まさにクラシック・パエリアの金字塔と言えます。
看板メニューである「バレンシアパエリア」や「魚介のパエリア」は、大鍋で豪快に炊き上げられ、サフランの豊かな薫香と魚介の濃厚なエキスが米の芯まで浸透しています。重厚感のあるクラシカルな内装と行き届いたサービスは、家族の記念日や落ち着いた会食に温もりと安心感をもたらしてくれます。