スニーカーやスポーツウェアの世界的トップブランド「NIKE(ナイキ)」のルーツが、この彫像にあるという事実は広く知られています。サモトラケのニケ ナイキ 由来の背景には、古代ギリシャの豊かな神話体系が存在します。
ギリシャ神話における勝利の女神 ニケ(ギリシャ語表記:Νίκη, Nīkē)は、戦いの神アテナの従者であり、陸上や海上の戦闘、競技において勝者に栄光と勝利の月桂冠をもたらす神聖な存在です。背中に巨大な翼を持ち、戦場を自在に飛び回って勝者のもとへ舞い降りると信じられていました。
1971年、NIKEの前身であるブルーリボンスポーツ社の創業者フィル・ナイトは、自社製スニーカーの新しいブランド名を検討していました。当初彼が考えていた「ディメンション・シックス(Dimension Six)」という案に対し、社員第一号のジェフ・ジョンソンが「夢の中に勝利の女神ニケが現れた」と提案したことから、ブランド名が「NIKE」に決定したという逸話は有名です。
さらに、誰もが知るあの流線型のロゴマーク「スウッシュ(Swoosh)」は、グラフィックデザインを専攻していた女子学生キャロライン・デビッドソンによって考案されました。このマークは、勝利の女神ニケが身にまとう翼の羽ばたきと、風を切るスピード感を極限までシンプルに抽象化したデザインです。古代の地中海で戦士たちが祈りを捧げた勝利の象徴は、現代のグローバルスポーツ文化の頂点に立つアイコンとして見事に息づいています。