川崎宗則がボロボロになった心身を立て直し、再びグラウンドに立つことができた背景には、家庭という絶対的なシェルターの存在がありました。2011年に結婚した夫人とは、ソフトバンク時代からの長い付き合いであり、メジャー挑戦時の目まぐるしい生活環境の変化も二人三脚で乗り越えてきました。
自律神経の乱れから先の見えない不安に怯えていた休養期間中、妻は「野球をやめてもいい」「普通の生活に戻ればいい」と、決して彼に復帰を迫ることはありませんでした。無理に励ますのではなく、日々の食事と規則正しい生活を黙々と整え、ありのままの川崎を受け入れたことが、高ぶっていた神経を鎮める最高の特効薬となったと報じられています。
また、成長した子どもたちの存在も大きなエネルギーです。息子や娘たちにとって、父親がかつてメジャーで活躍したこと以上に、「今、目の前で全力でボールを追いかけている姿」が最高の誇りとなっています。休日に子どもたちと無心でキャッチボールを楽しむ中で、かつて鹿児島で野球を始めた頃の「ボールを投げて捕るだけで楽しかった原初体験」を取り戻していったのです。