観柳邸での戦いにおけるクライマックス、般若たちの最期は『るろうに剣心』屈指の名シーンとして知られています。アヘン密売の黒幕である武田観柳は、自らの野望が潰えかけると、最新兵器である回転式機関銃(ガトリングガン)を乱射。雇い主のために戦ってきた御庭番衆の仲間たちを容赦なく掃射しました。
仲間の式尉、火男、悪観が次々と蒼紫を庇って銃弾に倒れる中、般若は冷徹に戦況を見極めます。「この狂気を止め、蒼紫様を救えるのは緋村剣心しかいない」と判断した般若は、敵であったはずの剣心に向かって飛び出し、自らの体をガトリングガンの射線上に晒しました。
全身に何十発もの無慈悲な銃弾を浴び、肉体が削り取られながらも、般若は一歩も退かずに弾丸を受け止め続けました。この命を賭した数秒の盾によって、剣心が観柳の懐へ踏み込むための決定的な隙が生まれたのです。
力尽きて倒れ込む間際、般若が剣心に向けて遺した言葉は、今もファンの胸を締め付けます。
「蒼紫様を……頼む……」
「オレ達御庭番衆が最強である事を、お前が証してくれ……!」
自らの命が尽きる瞬間まで、念頭にあったのは自身の誇りではなく、敬愛する蒼紫の命と心の救済でした。この般若の散り様と仲間たちの死は、後に蒼紫を「修羅」へと堕とす決定打となる一方、物語全体に深い人間ドラマの陰影をもたらしました。