会社の定期健診で「要精密検査」の判定が出た場合、具体的に医療機関でどのような検査が行われ、受診者はどのように対応すべきなのでしょうか。都内の循環器内科外来における標準的なフローを検証します。
健診結果を受け取った受診者が循環器専門外来を受診すると、まず行われるのが詳細な12誘導心電図の再検査です。健診時の電極装着位置のわずかなズレによって波形が過剰に評価されていないかを確認し、ブルガダ型波形やQT延長、心室期外収縮の合併がないかを精査します。
そして、右脚ブロック精査における主役となるのが心臓超音波検査(心エコー)です。超音波を用いて心臓の動きをリアルタイムに画像化するこの検査により、以下の極めて重要な情報が無侵襲で判明します。
- 右心房・右心室の拡大や、壁の肥厚(肺動脈圧亢進の兆候)がないか
- 心房中隔に血流の短絡(穴)が存在しないか(心房中隔欠損症の有無)
- 左心室の収縮力(駆出率:EF値)が保たれており、心筋症や虚血性病変がないか
- 心臓弁の逆流や狭窄(三尖弁閉鎖不全症など)が生じていないか
さらに、日常生活の中で危険な不整脈や脈の途切れが生じていないかを調べるため、「24時間ホルター心電図検査」や運動負荷試験が組み合わされるケースもあります。
日常の臨床における循環器内科の受診目安は明確です。「過去に一度も精査を受けたことがなく、今回初めて完全右脚ブロックと判定された方」は、症状の有無にかかわらず、向こう1〜2ヶ月以内に必ず循環器内科で心エコー検査を受けるべきです。また、「急な階段を上った際の異常な息切れ」「安静時の胸の圧迫感」「一瞬目の前が真っ白になるようなめまいやふらつき」を自覚している場合は、予約を待たず速やかに医療機関を受診してください。