オリジナル版であるSFC(スーパーファミコン)版『ファイナルファンタジーV』は、コンピュータゲームの歴史に燦然と輝く金字塔だ。それだけに、リマスター化において当時のドット絵や文字フォント、戦闘テンポに強い愛着を持つファンから厳しい評価を受けることとなった。発売当初に不満が噴出した最大の理由は、プレイヤーの記憶にある「思い出の質感」とリマスター版の表現手法とのズレにある。
とりわけ不満が集まったのは、視覚的・操作的な演出の方向性だ。画面解像度が向上したことでドット絵の緻密さは増したものの、昔ながらのブラウン管テレビ特有の滲みや風合いが失われたと感じる層が一定数存在した。さらに、操作性やユーザーインターフェース(UI)の刷新も、長年オリジナル版に慣れ親しんだ層には馴染みにくく映ってしまったのだ。