2015年7月23日、ボカロシーンを揺るがす悲報が駆け巡った。若干20歳で急逝した椎名もた。直前までニコニコ動画やYouTubeに作品を投稿し、精力的に制作を続けていた矢先の出来事だった。所属レーベルであるUMAA Inc.からリリースされた簡潔なプレスリリースは、詳細な死因に触れず、遺族の意向を尊重する形をとった。この控えめな発表が、ファンの間で困惑と深い悲しみを加速させたことは否定できない。
クリプトン・フューチャー・メディアが開発した初音ミクを自在に操り、独自のエレクトロニカサウンドを築き上げた彼の才能は、ボカロ業界全体にとっても計り知れない損失となった。同世代のクリエイターたちは一様に言葉を失い、タイムラインは哀悼の意で埋め尽くされた。