森進一の音楽人生において、最大の試練の一つとなったのが2007年の「おふくろさん騒動」です。名曲「おふくろさん」のイントロ部分に、森が進一オリジナルの語り(セリフ)を追加して歌い続けていたことに対し、作詞者の川内康範氏が「著作者人格権の侵害であり、作品の改改変である」と激怒。同曲の歌唱禁止を突きつける事態へと発展しました。
テレビ番組や報道各社を通じて連日大きく報じられ、森は青森県にある川内氏の自宅へ直接謝罪に赴くなど誠心誠意の対応を試みました。しかし、対面は叶わず、2008年に川内氏が逝去。一時は永久封印かと思われましたが、その後、森は遺族と真摯に対話を重ね、オリジナル通りの歌詞で歌うことを条件に和解が成立しました。
この一連の騒動を通じて、森進一は作品への敬意と作家への感謝を改めて公に語り、2008年末のNHK紅白歌合戦では万感の思いを込めて「おふくろさん」を熱唱。歌い手としての覚悟と誠実さを日本中に証明することとなりました。