月刊アフタヌーン連載当時、カンゴームの変貌が描かれたエピソード(コミックス第9巻〜第10巻収録部)が公開された際のSNSや電子掲示板の熱量は凄まじいものがありました。読者コミュニティでは「脳を焼かれた」「市川春子先生の人の心のなさ(最大の賛辞)」といった声が溢れ返りました。
初期のフォスとカンゴームによる「バディもの」としての熱い展開に感情移入していた層からは、カンゴームの冷淡な変貌に対して強烈なショックと裏切りへの怒りが噴出しました。一方で、月面での奔放な振る舞いやドレス姿に対しては「精神的に解放されて最高にかわいい」「メス堕ちと呼ぶにはあまりに哲学的でエグい」といった複雑な賛美が寄せられ、ファンの間での評価は真っ二つに分かれました。
読者の生の声から抽出される主な反応は以下の3点に集約されます。
- 裏切りへのトラウマ:「フォスがボロボロになっていく横で、プリンセスとして幸せそうにしている姿が精神的にキツすぎる」
- キャラクター造形の妙:「『呪縛が解けた結果、聖人ではなく俗物で可愛い存在になった』というリアリズムに唸らされた」
- エクメアへの嫌悪と納得:「エクメアのやり口は狡猾だが、カンゴームにとっては間違いなく唯一無二の救い手だったという事実が切ない」
完結を迎えた現在では、単なる裏切り劇としてではなく、「他者の呪縛から逃れて自分の生を生きるとはどういうことか」を突き詰めた、作品屈指の名プロットとして再評価する声が主流を占めています。