2月の国内旅行における最大の魅力は、厳しい寒さが生み出す圧倒的な雪景色と透明度の高い空気感にあります。しかし、世界的なオーバーツーリズムの波は冬の絶景地にも押し寄せており、現場では入場制限や運用ルールの見直しが進んでいます。
冬の風物詩であるさっぽろ雪まつりの混雑状況を現地取材班の報告から検証すると、大通会場のピーク時間帯(17時〜20時のライトアップ点灯時)は歩行規制が敷かれ、インバウンド観光客で歩道が埋め尽くされる過密状態が続いています。混雑を回避して精巧な雪氷彫刻を鑑賞するなら、夜明け直後の午前7時〜8時台、またはライトアップ終了直前の時間帯に的を絞るのが賢明な立ち回りです。なお、会期中の札幌市内ホテルは通常の3倍以上の宿泊費に跳ね上がるため、千歳や小樽など近隣都市を拠点にする選択肢が定着しています。
一方、世界遺産エリアとして国際的な注目を集める白川郷ライトアップの詳細については、完全事前予約制の厳格化が定着しました。かつてのような当日飛び込み見学は完全に不可能となっており、展望台チケット付きの宿泊ツアーや指定バスツアーの抽選倍率は極めて高い水準を維持しています。抽選に漏れた場合でも、あえて日中の通常時間帯に訪れれば、茅葺き屋根に積もる白雪と合掌造りの原風景を落ち着いて鑑賞できます。
また、冬の温泉旅行の穴場として近年再評価されているのが、北陸新幹線の延伸効果でアクセスが劇的に向上した福井県のあわら温泉や、奥飛騨温泉郷(岐阜県)です。過度なインバウンド集中を避けつつ、湯煙と雪景色を静かに味わえる滞在先として大人の旅行者から熱い支持を集めています。