事件当時、捜査線上に浮かび上がった手記や自作イラストは、専門家たちを絶句させた。そこに並んでいたのは、人間の肉体を切り刻むような抽象的な線画、奇怪な文字、そして宗教的なメタファーを思わせる独善的なシンボルの数々だ。精神鑑定の過程でも注目されたこれらの画稿は、彼の内面に潜む狂気と肥大化した自尊心を露骨に象徴していた。
当時の報道は、これらの絵を心理分析の参考資料として限定的に扱った。しかし、それらが持つ独特の毒性と禍々しさは、センセーショナリズムを煽る一部のメディアやサブカルチャー誌に取り上げられ、一種のカルト的な都市伝説へと変貌を遂げていく。時が経つにつれて断片的なイメージがネット上に漂着し、消えることのない負の遺産として居座り続けたのだ。