片岡五郎の凄みは、映画のスクリーンだけに留まらない。お茶の間のテレビモニターすら、彼の怪演によって幾度となく凍りついた。円谷プロダクションが手掛けた特撮ドラマの金字塔『ウルトラマンレオ』への出演はその筆頭だろう。怪獣や宇宙人といった異形の存在が跋扈する世界観の中で、人間の姿を借りた侵略者や冷酷な敵役として登場した彼の怪異なオーラは、当時の子どもたちにトラウマ級の強烈なインパクトを植え付けた。
さらに、昭和のテレビカルチャーを象徴する伝説的刑事ドラマ『太陽にほえろ』や各種サスペンス劇団の現場でも、凶悪犯や裏社会の黒幕として幾度となく登場。七曲署の刑事たちを極限まで追い詰める知能犯から、路地裏で狂刃を振るうアウトローまでを変幻自在に演じ分けた。子ども番組からゴールデンタイムのドラマまで、どこへ行っても「本物の危険な匂い」を持ち込める稀有なバイプレイヤーだった。