アイデンティティの芸が単なるパロディにとどまらず、長年愛され続けている理由は、原作に対する並々ならぬ敬意にある。原作漫画の版元である集英社や、アニメ制作を手掛ける東映アニメーションが生み出してきた世界観を壊すことなく、むしろリスペクトを前面に押し出したネタ作りが特徴だ。
特にフジテレビ系列で放送され世界的な現象となった『ドラゴンボールZ』の劇中シーンやセリフのチョイスは秀逸を極める。「おっす、オラ悟空!」というお馴染みの挨拶はもちろん、戦闘シーンの緊迫した発声や作中のマイナーな掛け合いまで細かく研究。声優本人の癖を捉えたものまねの精度の高さが、往年のファンをも唸らせる最大の強みとなっている。