ムック本という言葉の意味をシンプルに表現するなら、「雑誌のようなビジュアルと読みやすさを持ち、書籍のように長く読まれることを前提に作られた本」です。定期刊行される一般的な雑誌とは異なり、特定のワンテーマを深く掘り下げた単発、あるいは不定期で発行される形態を指します。
語源の由来は明快で、「Magazine(雑誌)」の「M」と「Book(書籍)」の「ook」を合体させた「MOOK」という英語の造語です。1950年代のイギリス出版界で生まれた概念とされ、日本では1970年代に大手出版社が新しいスタイルの刊行物を指す呼称として導入したことで一気に定着しました。
出版界における実務的な定義では、「雑誌の編集手法(豊富な写真、図解、レイアウトの自由度)を用いて編集された書籍」と位置付けられます。料理レシピ、旅行ガイド、著名人の追悼特集、ホビーの徹底解説など、流行に左右されすぎず、数か月から数年にわたって書棚に置かれるテーマが選ばれる傾向にあります。