大学を途中で離れるケースにおいて、混同されがちな概念が「自主退学(中途退学)」と「除籍」です。両者は外見上「大学を卒業できなかった」という結果こそ共通していますが、学籍管理上の法的性質は根本から異なります。
自主退学は、学生本人が所定の「退学願」を大学窓口に提出し、教授会や学長の承認を経て円満に学籍を離脱する手続きです。これに対し、除籍は大学の学則に基づき、大学側が職権によって学籍名簿から学生の身籍を抹消・剥奪する行政的処分に該当します。
学歴上の扱いという観点では、どちらも学位(学士)を取得していないため、大学除籍後の最終学歴は原則として「高卒」になります。ただし、学籍簿上の記録としては「円満な中途退学」か「学則違反等による除籍」かで明確に区別して保管されます。
なお、在学中に修得した単位の扱いについても誤解が蔓延しています。かつては「除籍になると単位もすべて白紙になる」という俗説がありましたが、現在の大学設置基準および各大学の運用では、正規に認定された単位自体が消滅することはありません。卒業証明書は発行されませんが、「在籍期間証明書」や「単位修得証明書」「成績証明書の発行」を受けることは可能であり、他大学への編入学や再入学時に単位認定の対象として活用できます。