特別永住者と一般永住者の本質的な違いを理解するうえで、避けて通れないのがサンフランシスコ平和条約の発効に伴う歴史的背景です。戦前の日本統治下において日本国籍を有していた朝鮮半島や台湾出身者は、1952年の同条約発効によって一律に日本国籍を離脱したと解釈されました。この措置によって、長年日本国内で生活を築いてきた人々が突如として「外国人」としての扱いを受けることになり、深刻な法的地位の不安定化を招いた経緯があります。
これに対応するため、人道的な配慮や国際条約上の信義を背景に策定されたのが、1991年施行の「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)」です。この法律によって、終戦前から継続して日本に居住していた当事者およびその子孫に対して付与されたのが「特別永住者」という独自の地位でした。
一方の「永住者(一般永住者)」は、通常の「出入国管理及び難民認定法(入管法)」第2条の2に基づく在留資格の一つに過ぎません。留学生や就労ビザなどで来日した外国人が、日本での一定期間の適法な滞在実績、生計を営むに足りる資産や技能、素行善良要件などの厳格な審査を経て取得するものです。つまり、一般永住者との決定的な違いは、単なるビザ審査を通過して得られた行政上の「許可資格」なのか、歴史的経緯に基づいて特別に配慮された「法律上の特例身分」なのかという根源的な成り立ちにあります。