メジャーデビュー以降、先鋭的なラップとポップスの架け橋として活躍してきた彼女をバックアップしたのはトイズファクトリーだった。同レーベルは、ネットカルチャーの文脈を汲み取りつつ、マス層へ届けるブランディングを得意とする。既存のメディア露出に頼らず、カルチャーの核を保ったまま大衆へ届けるプロデュースの手腕が見事にハマった格好だ。
一方で、NHK(日本放送協会)の制作陣にも明確な意図があった。単なるブームの追認ではなく、未来の音楽シーンを見据えたプログラム構成。地上波のゴールデンタイムにネット発のオルタナティブな才能をぶつけることで、番組全体の鮮度を一気に引き上げる狙いがあった。結果として、放送後の反響は期待を遥かに上回り、双方にとって大成功のプロジェクトとなった。