この独自の食文化を支えているのが、宮崎県が長い歳月をかけて開発したブランド鶏「みやざき地頭鶏」だ。旧家の庭先で飼育されていた天然記念物「地頭鶏」をベースに交配を重ねたこの品種は、滑らかな口当たりと深いコクを持ち合わせる。しかし、2026年現在の現場では、単なるブランド維持にとどまらない新たな動きが起きている。
近年、県内の若手生産者を中心としたオーガニック飼育やアニマルウェルフェア(動物福祉)への取り組みが加速度的に進んでいる。放し飼い面積の拡大や、宮崎産の焼酎粕をブレンドした飼料の導入など、環境負荷を抑えながら肉質をさらに向上させる試みが結実し始めた。飼育期間を従来より長く設定し、運動量を増やすことで、脂のしつこさを抑えたピュアな旨味を持つ肉が次々と出荷されている。