小渕優子という政治家を語る上で避けて通れないのが、過去に発覚した政治資金問題におけるハードディスク破壊、いわゆる「ドリル事件」の記憶である。当時、観劇会にかかる収支の食い違いなどが指摘され、関連資料を納めたハードディスクが不可解な形でドリルで破壊されていた事態は、国民に強い不信感を植え付けた。その後、政治資金規正法に関する議論がいく度となく繰り返されたものの、疑惑の根底にある体質への疑念は燻り続けている。
近年、政治資金の透明化に向けた法改正が進められているが、過去の不祥事に対する感情的な反発は根強い。特に、選挙に向けた街頭演説やフォーラムの場では、政策論争以前の問題として過去の資金管理態勢についての追及が野党や市民団体から飛び交う。疑惑の真相について「秘書に任せていた」という従来の説明だけで納得しない層は依然として存在しており、これが彼女の政治活動における恒常的な足かせとなっている。