公共圏における「大学の自治」と「学術資源のパブリックアクセス(社会還元)」の間には、常に一定の緊張関係が存在します。東京大学が保有する膨大な知の集積は、日本の知的財産であると同時に、本来的には研究者と学生の思考を担保するための私的・専門的空間でもあります。利用者の健全な自立と施設運営側の秩序を保つためには、個々人が明確な利用境界線(バウンダリー)を自覚しなければなりません。
総合図書館の利用をおすすめできる人
- 一次資料や専門書を探求する在野の研究者・社会人:一般の書店や公立図書館では入手不可能な学術論文集、稀覯本、明治・大正期の記録文書などを調査したい人にとって、これ以上の研究環境はありません。
- 東大卒業生(校友):正規の卒業生利用手続きを踏むことで、母校が誇る知のプラットフォームを生涯学習の拠点として正当に享受できます。
- 他機関の大学院生・研究者:所属大学と東大との相互協定や紹介状を活用し、深い学術的連帯の中で専門資料を精読したい人には強く推奨されます。
訪問をおすすめできない・利用を控えるべき人
- 資格試験や大学受験の自習室を探している人:目的外利用として退館を求められるリスクが高く、近隣の有料自習室や文京区立図書館の利用が適しています。
- 「内装の写真を撮りたい」「観光したい」という純粋な見学目的の人:館内での無許可撮影はプライバシーおよび防犯の観点から厳罰対象です。外観鑑賞に留めるか、年1回のホームカミングデイ等の一般公開行事を待つのが賢明です。
- 静かな環境でPC作業・リモートワークをしたいノマド層:打鍵音に対する配慮や電源・Wi-Fi利用の制約(EDUROAM等は学術関係者限定)があり、目的と環境が根本から乖離しています。