「梅ジュースは砂糖が濃いから常温で何年でも持つ」という言説がネット上で散見されますが、これは半分正しく、半分は危険な誤解です。梅から水分が大量に染み出した後のシロップは、仕込み当初よりも全体の糖度が低下しています。
安全に消費するための保存期間と賞味期限の目安は、加熱殺菌処理の有無によって明確に分かれます。エキスを絞り出した生のシロップをそのまま冷蔵保存する場合、賞味期限は約1ヶ月が限度です。未加熱の生シロップには微細な酵母が生き残っているため、冷蔵庫内であっても数ヶ月放置すると徐々に発酵が進み、容器の内圧が上がって破裂する事故を引き起こす恐れがあります。
長期保存を前提とするならば、抽出完了直後にエキスをホーロー鍋またはステンレス鍋に移し、弱火で80℃を保ちながら15分間加熱殺菌を行ってください。粗熱を取った後、煮沸消毒したガラス遮光瓶に移して密閉すれば、冷暗所や冷蔵庫で約1年間にわたりフレッシュな美味しさをキープできます。なお、エキスが出切ってシワシワになった梅の実は、そのまま放置すると余分な水分を再び吸い戻してシロップを濁らせる原因となるため、完成した段階ですみやかに取り出すのが鉄則です。