中也を語る上で欠かせないのが、公式スピンオフおよび本編でも描かれた十五歳編における出自の謎です。かつて横浜のすり鉢街を中心に活動していた未成年互助組織「羊」のリーダーを務めていた中也は、自身の記憶の欠落と「荒覇吐」と呼ばれる謎の爆発現象の正体を追っていました。
当時ポートマフィアに身を寄せていたフランスの諜報員・蘭堂(アーサー・ランボー)は、かつて軍事施設から未知の高エネルギー生命体「荒覇吐」を奪回しようと計画していました。その施設で生み出された安全弁としての人間こそが中原中也だったのです。蘭堂との激闘の果てに自らの存在意義を受け入れた中也でしたが、力を恐れた「羊」の仲間たちから背後を刺されるという過酷な裏切りを経験します。
絶望の中で出会ったポートマフィア首領・森鴎外の「組織の長たる器」に触れた中也は、正式にマフィアへ加入。自身の出自が神であれ人間であれ、目の前の仲間と組織のために拳を振るうという強固な自己同一性を確立していきました。