町田市の気象を語る上で外せないのが、谷戸(やと)と呼ばれる入り組んだ谷と丘陵が織りなす起伏です。南からの湿った空気が相模湾から北上してくると、丹沢山地や多摩丘陵の縁にぶつかり、局地的な上昇気流が発生します。その結果、都心では雨雲レーダーに何も映っていないにもかかわらず、境川沿いや北部の小野路・相原周辺で突発的な降雨が起きるケースが少なくありません。
気象予報士の間でも、町田周辺の雨雲の発達スピードは注視されるポイントです。気象業務支援センターから配信される高解像度のアメダス観測データを見ても、隣接する八王子や相模原とは数度単位で気温が異なり、これが局所的な風の収束を生む要因になっています。単なる「東京地方」の広域予報だけでは捉えきれない現象が、ここには潜んでいます。