現在の任天堂にとって、スマートフォンというプラットフォームの主たる役割は「スタンドアローンのゲームを遊ばせる場」から「専用ゲーム機体験を拡張・補完するコンパニオンツール」へと完全にシフトしています。
その中核を担っているのが、世界で数億アカウント以上が登録されている「ニンテンドーアカウント」です。スマートフォンアプリを起動する際、アカウント連携を促すことで、ユーザーデータを任天堂の巨大な顧客基盤に統合。ゲームソフトの購入履歴、プレイ時間、マイニンテンドーポイントプログラムなどをスマホ経由で一元管理しています。
さらに『Nintendo Switch Online』アプリでは、以下のような専用ゲーム機連動機能が提供されています。
- 『スプラトゥーン』シリーズの戦績確認やギア注文ができる専用サービス「イカリング」
- 『あつまれ どうぶつの森』のマイデザイン読み取りやチャットキーボードとして機能する「タヌポータル」
- フレンドのオンライン状況の確認や、対応タイトルでのボイスチャット機能
SNSやコミュニティの生の声を見ても、「スマホ単体でゲームを遊び込むよりも、Switchや後継機のプレイを快適にする補助輪としての機能が圧倒的に便利」という評価が定着しています。スマートデバイスをゲーム機の競合相手としてではなく、ハードウェアへのエンゲージメントを高めるための「リモコン」や「サブディスプレイ」として機能させる戦略は、任天堂のプラットフォーム防衛策として見事な成功を収めています。