往年の宿泊客や近年利用した旅行者が残した一次情報からは、このホテルの強烈な魅力と、人を選ぶ明確な課題がくっきりと浮かび上がります。
まず客室に関しては、昭和後期の観光ブーム時代を彷彿とさせる和室主体の造りです。「部屋の古さは否めないが、窓からの景色がすべてを帳消しにしてくれる」「畳に座ってお茶を飲みながら子抱き富士を眺める時間は至高」といった絶賛の声がある一方で、「壁の薄さや設備の古さが気になった」「コンセントの数が少ない」といった現代的な利便性を求める層からのシビアな指摘も混在しています。
食事面では、過剰な高級懐石ではなく、山梨の郷土色を打ち出した実直な料理が特徴です。夕食には甲州名物の熱々ほうとう鍋や川魚の塩焼き、山の幸をふんだんに使った小鉢が並び、「派手さはないが滋味深く、実家に帰ったような温かみがある」と好評を博していました。朝食も素朴な和定食が基本で、湖を眺めながら静かに味わう朝のひとときは格別と評価されています。
お風呂は、富士山を望む展望大浴場が自慢です。天然温泉ではないものの、富士の伏流水を利用した柔らかな湯ざわりと、湯船に浸かりながら視界いっぱいに広がる精進湖の風景は旅の疲れを癒やすのに十分な魅力を放っています。かつて実施されていた日帰り入浴については、受入時間や曜日が限定的であり、宿泊稼働の縮小に伴って突発的な利用は難しい状況となっています。