心理学の世界では、こうした一見矛盾する感情の表出を「二形性表現(Dimorphous Expression)」と定義している。嬉しすぎる時に涙があふれたり、あまりの恐怖に大笑いしてしまったりする現象と同じメカニズムだ。要するに、過剰なポジティブ感情で心がパンクするのを防ぐ緊急ブレーキとして機能している。
仮にこのブレーキが作動しない場合、人間は可愛さの暴風雨に圧倒され、対象を守ったり世話を焼いたりする日常的な行動すらとれなくなる危険がある。進化の歴史において人類が生き残るために手に入れた、きわめて合理的なメンタル調整システムと言えるだろう。