幼少期から植物の生命力に魅せられていた斉藤は、若くして造園の世界へ足を踏み入れた。しかし彼が目にしたのは、整然と刈り込まれた街路樹や、ビルの屋上に申し訳程度に配置された鉢植えという、都市と植物のいびつな分断だった。「植物は人間の都合で飾るものではなく、建築と対等に呼吸する相棒であるべきだ」――この直感が、彼の活動の原点にある。
空間デザイン集団「SOLSO」を立ち上げて以来、斉藤は従来の園芸・造園業界にあった見えない壁を次々と壊してきた。海外の希少な多肉植物から日本の里山に自生する雑木まで、多種多様な植生を独自の感性でミックスする手法は、当初「維持が難しすぎる」と懸念された。しかし、植物ごとの 微気候(マイクロクライメイト)を計算し尽くした彼の設計は、都市の真ん中で見事に根を張り、月日とともに深みを増す「生きている建築」を証明してみせたのだ。