美浦と栗東の格差はなぜ消えた?「西高東低」崩壊の真相と2026年最新勢力図

美浦と栗東の格差はなぜ消えた?「西高東低」崩壊の真相と2026年最新勢力図

美浦と栗東の格差はなぜ消えた?「西高東低」崩壊の真相と2026年最新勢力図の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

調教施設の進化と並び、近年の東西格差是正を語る上で欠かせないのが「競走馬の輸送格差」の変容と「外厩・育成牧場」の影響力です。

かつては「美浦の馬が阪神や京都へ遠征すると輸送熱や馬体重減で大敗する」というのが競馬界の定説でした。しかし、現代の馬運車は全車に高性能エアサスペンションと個別空調システムが標準装備され、高速道路網の整備も相まって、美浦から関西圏への約7〜8時間の輸送ストレスは劇的に軽減されています。また、夏の新潟・福島や春の東京・中山など、関東圏で開催される大レースに関西馬が大挙して押し寄せる現象も、輸送ノウハウの高度化によって「遠征=不利」という図式が崩れた証拠です。

さらに決定的な要因となったのが、ノーザンファーム天栄(福島県)をはじめとする民間育成牧場、いわゆる「外厩」の台頭です。トレセン外の施設でトレセン以上のハードな坂路調教を課し、万全のコンディションに仕上げてからトレセンに入厩させるシステムが完成。これにより、かつて「美浦の施設が劣る」とされていた時代であっても、天栄を拠点とする関東馬が栗東馬を力でねじ伏せる下地が整いました。

競馬専門紙記者は現場の空気をこう証言します。
「昔は栗東の調教師が美浦に来ると『こっちは調教コースが狭くて大変だな』と冗談めかして言っていた時代がありました。しかし今は、美浦の厩舎エリアの広さや最新の南W・新坂路を見て、栗東の関係者が羨ましがる場面すらあります。若手調教師を中心に東西の人的交流も進み、かつてのような東西の分断意識やコンプレックスは現場には微塵もありません」

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。