「世界で最も有名なポケモンは?」と問われれば、老若男女を問わずピカチュウの名が挙がります。しかし、「あなたが最も好きなポケモンは?」という問いに対して、公式投票のデータはまったく異なる事実を浮き彫りにしてきました。
ポケモン総選挙の歴史において、最大の転換点となったのが2016年に映画公開記念で実施された「ポケモン総選挙720」、そして2020年にGoogle検索と連動して全世界から投票を募った「ポケモン・オブ・ザ・イヤー(Pokémon of the Year)」です。全世界で有効投票数660万票以上を記録したこの世界的大投票において、並み居る歴代看板を抑えて堂々の歴代1位に輝いたのはゲッコウガでした。
ゲッコウガは合計140,559票という驚異的な得票数で世界王者に君臨。続く第2位にはルカリオ(102,259票)、第3位には第7世代のミミッキュ(99,077票)、第4位にリザードン(93,283票)が食い込み、マスコットの代名詞であるはずのピカチュウは第19位(48,060票)に留まるという波乱が起きました。
なぜ公式マスコットが首位を奪えないのか。当時の特番インタビューやコミュニティの分析において、ファン心理の生々しいリアルが語られています。ファンからは「ピカチュウは家族や空気のように当たり前に好き。だからこそ、自分の1票は『本当に思い入れのある相棒』に捧げたい」という声が相次ぎました。誰もが愛するパブリックな象徴だからこそ、個人の熱烈な「推し投票」では票が分散し、プレイヤー固有のドラマを背負ったダークヒーロー的なポケモンが頂点へ駆け上がるという力学が働いた結果です。