シバリングとは?突然の震えの原因と危険なサイン・正しい対処法

シバリングとは?突然の震えの原因と危険なサイン・正しい対処法

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「手術そのものよりも、術後にベッドで経験した全身の激しい震えと恐怖のほうが鮮明に残っている」――これは手術を終えた患者の手記やSNSの療養記録で頻繁に語られるリアルな声です。リカバリールームで「寒くて歯がカチカチ鳴り止まない」「胸が苦しい」と訴える患者のバイタルサインを測定すると、心拍数は毎分120回を超え、収縮期血圧が180mmHg近くまで急騰しているケースは珍しくありません。

看護の臨床現場において、シバリングは「単なる寒気」として片付けられることは決してありません。最大の問題は、激しい骨格筋収縮によって体内酸素消費量が最大400%まで跳ね上がる点にあります。呼吸機能や心機能が低下している高齢者や心疾患患者にとって、この酸素需要の急増は心筋虚血(心筋梗塞・狭心症)や低酸素血症の引き金となり得ます。さらに、激しい筋肉の揺れは術後の手術創を引っ張り、激痛をもたらすだけでなく、創部出血や頭蓋内圧亢進を引き起こす直接的な脅威となります。

こうしたリスクを封じ込めるため、周術期医療では徹底した「術後シバリング保温」が標準化されています。単に綿毛布を重ねる受動的保温にとどまらず、温風加湿加温装置(ベアハガー等)を用いて皮膚温を直接上昇させる能動的加温が実施されます。末梢の温度受容体を温めることで脳への「寒い」という求心性シグナルを遮断し、シバリング発現スコア(BSAS: Bedside Shivering Assessment Scale)を速やかに低下させるのが、現代の看護ケアにおける鉄則です。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。