油で揚げた魚介を唐辛子や葱、酢を合わせたタレに漬け込む調理法は、大航海時代に南蛮人によってもたらされた「エスカベッシュ」がルーツとされる。これが日本の土壌に根差し、醤油や出汁の文化と融合したことで、現代の和食における不動の地位を確立した。
農林水産省の広報資料でも、小魚を骨ごと摂取できる優秀なカルシウム源として南蛮漬けの調味手法がたびたび推奨されている。青魚や小魚の消費量が低下傾向にある現代において、酸味の力で骨まで可食化し、長期保存を可能にする先人の知恵は、フードロス削減や健康志向の観点からも再びスポットライトを浴びている。
また、大ヒット漫画・ドラマ『深夜食堂』をはじめとするメディアでも、素朴ながらも酒の肴として最高の存在感を放つメニューとして描かれ、若い世代や海外の和食ファンからも熱い視線を集めている。