326が紡ぎ出した強度のある言葉に命を吹き込んだのが、ボーカルを務める岡平健治と岩瀬敬吾という異彩を放つ二人の存在だった。
岡平健治のボーカルは、感情を剥き出しにして喉を絞り出すようなエモーショナルな力強さを持っていた。一方で、岩瀬敬吾の声は透明感に満ち、どこか切なく静謐な響きをたたえていた。この対極にあるふたつの声が交差するとき、楽曲には単一のボーカリストでは表現し得ない奇跡的なダイナミズムが生まれた。岡平が推進力を与え、岩瀬が楽曲に情趣と奥行きを与える。この奇跡的な二重奏こそが、フォークロックというジャンルをアップデートさせた主因である。