ラッツ&スターの活動休止後、鈴木雅之はソロアーティストとして『ガラス越しに消えた夏』や『もう涙はいらない』など数々の名曲を世に送り出し、日本を代表するソウルシンガーとしての地位を揺るぎないものにした。年齢を重ねても衰えない艶やかな歌声は、平成から令和にかけて若い世代や海外のアニメファンにまで届く広がりを見せる。
対照的に、田代まさしを待ち受けていたのは過酷な転落劇だった。2000年代以降、相次ぐ不祥事と薬物問題により表舞台からの去外を余儀なくされた。依存症という病との闘いは長く、過酷を極めた。メディアからの苛烈なバッシングと、何度も繰り返される過ち。かつて日本中を笑顔にした男の苦悩は、昭和・平成のエンターテインメント界が抱える暗部を浮き彫りにした。