この表現は、いつどのようにして生まれたのか。歴史的な文献を遡ると、江戸時代の上方(関西)で編纂されたかるた「いろはかるた」の「ね」の句として広まったことが知られている。
近代における日本語学の草分けであり、『広辞苑』の創刊でも知られる新村出の研究をはじめ、数々の出版・辞書編纂の歴史においても、庶民の知恵が詰まった言葉として記録されてきた。当時の江戸や大坂の街角で、大判小判の通貨制度が急速に普及する中、金の価値を理解しない動物を引き合いに出す趣向が庶民の心を掴んだと考えられる。貨幣経済の発達と猫という身近なペットの存在が見事に融合した、日本独自の文化的産物と言えるだろう。