実は、タマの愛らしい鳴き声を最初にマイク前で吹き込んだ人物が存在する。声優の近藤よし子だ。1969年の放送開始当初、彼女は実際にスタジオで猫の感情豊かな声を演じ、タマというキャラクターに最初の生命を吹き込んだ。
放送が長期化するにつれて、毎週新たに猫の鳴き声を収録するのではなく、初期に録音された近藤よし子の声をライブラリ化して使用する音響手法が定着していった。特定の声優が毎週リアルタイムで演じているわけではないという事情から、スタッフの遊び心も相まってクレジット表記が「?」へと変わったとされる。つまり「?」の影には、初期の作品作りに貢献した名女優の残響が今も息づいているのだ。