ナゴヤ球場での一件から約11年後、両者の対立は音楽業界全体を揺るがす大騒動へと発展します。きっかけは、1994年にリリースされた桑田佳祐のソロシングル「すべての歌に懺悔しな!!」(名盤『孤独の太陽』収録)でした。
問題となったのは、同曲に含まれる痛烈な風刺描写です。「テレビにゃ出ないと言ったのに ドラマの主役にゃ燃えている」「愛する人の名の下に 己の姿を誇張する」といった刺激的なフレーズが、当時テレビドラマ『とんぼ』などの主演で大ヒットを飛ばし、ストイックなカリスマ性を打ち出していた長渕剛、さらには矢沢永吉をあからさまに揶揄・ディスったものではないかと週刊誌が一斉に報道しました。
桑田佳祐本人は「特定の個人を攻撃したものではなく、当時の音楽シーンや自戒を込めたシニカルな風刺」と釈明したものの、マスメディアの過熱報道によって火に油を注ぐ形となり、事態は泥沼化していきました。