甲賀市信楽町に位置する日雲神社の歴史と由緒を紐解くと、古代日本の二大潮流とも呼ぶべき神話の足跡に行き当たります。主祭神として祀られているのは、朝鮮半島から渡来し製鉄や治水の技術を日本にもたらしたとされる天日槍命(アメノヒボコノミコト)です。ものづくりの街・信楽において、技術や産業の祖神が祀られている背景には深い歴史的必然性を感じさせます。
さらに注目すべきは、第11代垂仁天皇の皇女である倭姫命の巡行伝承です。天照大御神の鎮座地を探して巡行した際、4年間滞在したとされる「甲可日雲宮(こうかのひくものみや)」の旧跡が、まさにこの日雲神社であると伝えられています。古代史ファンや元伊勢巡りを志す旅人にとって、外すことのできない重要な聖地となっています。