海を渡ったアメリカ現地では、日本とは全く異なる文脈で批判の声が渦巻いている。主戦場であるメジャーリーグベースボールにおいて、大谷がドジャースと結んだ10年7億ドルという天文学的な契約、とりわけその大半を後払いにした手法は、他球団ファンの間に深い怨嗟を残した。
スモールマーケットに本拠地を置く球団のファンにとって、資金力に物を言わせてスターを囲い込むドジャースは「悪の帝国」そのものだ。SNSや現地のスポーツバーでは、「MLBの戦力均衡を壊した」「勝敗のロマンを金で買った」という手厳しい声が日常的に飛び交う。プロスポーツビジネスの観点では合法的な勝利への投資であっても、現地ファンにとっては愛する球団の優勝の可能性を奪う脅威として映る。
全米が拍手喝采を送っているという日本の報道は、現地の一側面に過ぎない。ドジャースタジアムを一歩出れば、激しいブーイングと敵意が向けられているのがMLBという冷徹な勝負の世界の現実だ。